【8月19日 AFP】アマゾン(Amazon)熱帯雨林の端で、炎がペドロ・ゴメスさん(仮名、48)の畑を食い尽くす。作物を植えるために畑を焼く時間は、30分あまりだ。

 環境保護論者らはブラジルの国立宇宙研究所(INPE)の衛星データから、焼き畑のような農法による炎が、アマゾンの森林を驚くべきペースで焼いていると指摘する。

 ゴメスさんは、これは火災ではなく、乾期に土地を燃やすことで雑木や雑草を除去する伝統的な慣行「ケイマーダ」だと主張する。「どうやって焼き畑なしで農業をやれと言うのだろう?」

 同国北部のノボプログレッソ(Novo Progresso)周辺では、あちこちで焼き畑が行われている。ゴメスさんの48ヘクタールの農場もその一つだ。農民らが火をつける規模を拡大しため、町は数日間煙に包まれた。

 焼き畑の燃料となるのは、農業や牧場経営のために伐採された木材。環境保護論者らは、不法に土地を取得して伐開する人々も、土地を焼く行為の拡大に拍車を掛けていると指摘する。

 昨年、アマゾンは数万もの火災で荒廃した。厚い黒煙が約2500キロ南方のサンパウロ(Sao Paulo)に及ぶほどで、世界各地から抗議の声が起こった。

 ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は7月、昨年の繰り返しを避けるため焼き畑を120日間禁止し、問題に対処するため軍を配備した。

 昨年の森林火災のピークとなった8月と9月は、政府の措置が機能したかを判断する重要な期間となる。(c)AFP/Jordi MIRO