【8月19日 AFP】大西洋に、1950年以降に廃棄されたプラスチックの推定総量を超えるプラスチックごみが浮遊している可能性があることが、18日に英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された英国立海洋学センター(National Oceanography Centre)の研究で明らかになった。

 世界の海洋には1億5000万トンのプラスチックが、多くはマイクロプラスチック粒子の形で存在すると推定されている。しかし、海洋にどの程度プラスチックごみが存在するかを正確に測ることは困難だ。

 この問題を改善するため、英国立海洋学センターの研究チームは、大西洋の1万キロに及ぶ範囲の12か所からサンプルを採取。水深10~100メートルのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンという海洋プラスチックごみで最も多くみられる3種類を調査した。

 研究チームは1950年以降のプラスチックごみの発生傾向に基づき、大西洋に現存するプラスチックごみの量が1700万~4700万トンだと推定した。4700万トンという数は、1950年以降に大西洋に捨てられたとみられるプラスチックごみの総量を上回っている。

 論文の筆頭著者カチェリーナ・パボートサバ(Katsiaryna Pabortsava)氏は、「かなりの緊急性」をもって、海洋プラスチックごみのレベルを調査する必要があると強調した。(c)AFP/Patrick GALEY