【8月19日 Xinhua News】中国黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)賓県永和郷永和村では2年前からミミズ養殖が始まったが、当初は「ミミズなんて養殖してどうする」と村民からあまり期待されていなかった。

 そのミミズは今では「村の宝」になっている。農作物の残茎や家畜の糞便、生活ごみなど処理が難しい廃棄物を、ミミズを使って処理し、「農業廃棄物をミミズの有機肥料に変え、再び農業で利用する」という循環型産業チェーンをつなぐことで、生態系への効果だけでなく、経済的価値ももたらしている。

 村内の永和郷現代生態循環型農業産業パークでは、数十ムー(1ムー=約667平方メートル)のミミズ養殖拠点でミミズ数千万匹が「働いて」いる。同パーク責任者の王国慶(Wang Guoqing)氏は、ミミズが食べるのは残茎や家畜の糞便、食用菌栽培用肥料のくずなどの廃棄物と生活ごみで、郷内の複数箇所に増設した「ミミズ拠点」では現在、年間1万トン以上の農業廃棄物と生活ごみを食べていると語った。

 東北農業大学(Northeast Agricultural University)の周東興(Zhou Dongxing)教授によると、ミミズが廃棄物を食べて出す糞便には腐植酸やフルボ酸、微生物群が豊富に含まれ、土壌を改善して地力を高め、ごみを有機肥料に変えることができるという。

 同パークでは現在、年間約7千トンのミミズ堆肥を生産しており、ミミズ養殖だけで300万元(1元=約15円)以上の利益をもたらしている。

 パーク内には、500ムーの果樹園や薬用植物園などの農業生産拠点が建設され、ミミズ堆肥だけを使った特色ある栽培と高付加価値加工を推進。産業チェーンのさらなる拡大が続いている。賓県北興村に設立された北墨ミミズ養殖専業合作社(共同組合)では、40ムーのミミズ養殖拠点で生産した堆肥を農業利用しており、初めて収穫されたサケツバタケ500キロをこのほどハルビンの市場で販売したところ、あっという間に完売した。(c)Xinhua News/AFPBB News