【8月18日 AFP】フランスで、鳴き声にうんざりした隣人におんどりが射殺される事件があり、これに抗議するオンライン請願書に7万4000筆以上の署名が集まっている。

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「マルセルに正義を(Justice for Marcel)」と求める嘆願活動を始めたのは、5月に殺されたおんどり「マルセル(Marcel)」の飼い主、セバスチャン・ベルネイ(Sebastien Verney)さん。ベルネイさんが暮らす人口450人の南部バンジュー(Vinzieux)村では、マルセルの死を受けて動揺が広がった。

 AFPの取材に応じたベルネイさんは、「この悲劇に深くショックを受けている」「田舎の生活スタイルは、処罰されない行為による攻撃をますます受けている」と語った。

 ベルネイさんの隣人は、マルセルを撃ち殺したことを認めている。動物虐待や武器の不正使用などの罪に問われており、12月に裁判にかけられる予定となっている。

 フランスではおんどりが非公式ながらも国の象徴となっており、ラグビーやサッカーの代表チームのエンブレムにもなっている。

「歌わせてくれ」との副題が付いたオンライン請願書には、17日までに7万4500人超が署名した。

 嘆願書は、死んだマルセルはベルネイ家自慢の「番人」だったと述べ、「子どもたちへの愛情にあふれ、私たち家族に喜びをもたらしてくれた。その鳴き声とニワトリ小屋での立派な存在感によって、私たちの日々の生活を刻んでくれた」としている。

 バンジュー村にマルセルの姿はもうないが、マルセルは後継ぎの子ども5羽を残してくれたと、ベルネイさんは語った。(c)AFP