【8月18日 Xinhua News】中国山東省(Shandong)諸城市(Zhucheng)の白亜紀後期(約7千万年前)の地層、王氏層群でこのほど、草食恐竜アンキロサウルスの腸骨の化石がほぼ完全な状態で見つかった。市恐竜文化研究センターの研究者らが新属新種と判断し、「諸城中国甲竜(Sinankylosaurus zhuchengensis)」と名付けて発表した。

 アンキロサウルス類は四足歩行のよろい竜(曲竜類)で、鳥盤目に属する。ジュラ紀前期(約1億9千万年前)から中期にかけて出現し、白亜紀後期に最も繁栄した。

 調査に加わった同センターの張艶霞(Zhang Yanxia)副研究館員は、諸城中国甲竜について、地上に最後まで生き残った恐竜の一種だと説明し、今回の発見で諸城の恐竜動物相の多様性が高まったと指摘。北米地域で発見された白亜紀後期の大型恐竜と対比して、両者の関係性を調べることができるほか、恐竜の生態をより詳細に復元する上で多くの手掛かりを得たと述べた。

 諸城は中国有数の恐竜の化石の産地として知られ、これまでにハドロサウルス類やケラトプス科、レプトケラトプス科、竜脚類、ティラノサウルス科、オビラプトル類の化石が見つかっている。

 調査結果をまとめた論文「山東諸城地域における白亜紀後期の新アンキロサウルス類」は、中国の学術誌「地質通報」に掲載された。論文は張氏のほか、同センターの王克柏(Wang Kebo)、陳樹清(Chen Shuqing)、王培業(Wang Peiye)の各氏と山東省地質科学研究院の陳軍(Chen Jun)氏の共同執筆となる。(c)Xinhua News/AFPBB News