■「1か月に感じられた1週間」

 スペインでセラミックス輸出業を営むホセ・パスカル・ギラール(Jose Pascal Guiral)さんは、このプラットフォームを利用して初めてキャンピングカーをレンタルした。休暇はいつも海外で過ごしていたが、ロックダウンが終了するやいなや、キャンピングカーを走らせ国内のピレネー山脈(Pyrenees)の風光明媚(めいび)な山岳路を旅して1週間を過ごした。

「飛行機に乗ったりホテルに泊まったりするよりずっと良かった。真の自由が感じられた。わずか1週間だったが、1か月間休暇に出ているように感じた」と語った。

 キャンピングカー専門旅行社「キャラバナス・ホリデーズ(Caravanas Holidays)」のディレクターのフリオ・バレネンゴア・ゴメス(Julio Barrenengoa Gomez)氏は、コロナ危機によって国内旅行への関心が高まったと指摘する。

 同氏はAFPに「人々は(例年は)キャンピングカーで欧州の周遊を求める傾向があるが、今年はスペイン国内にとどまろうとしているようだ」と語った。「欧州を旅したいという希望のために、われわれはスペインがどんなに美しいところか忘れてしまっていたようだ。今年は国内旅行が盛況となるだろう」

 また保健上の危機のために、リゾートやクルージング、パックツアーといった団体観光旅行はますます敬遠されるだろうと考える人々もいる。

 スペインのキャンピングカーの老舗ブランド「ベニマル(Benimar)」の取締役フェルナンド・オルティス(Fernando Ortiz)氏はAFPに、「このパンデミック(世界的な大流行)で人々の習慣に変化が出るだろう。混み合う場所での滞在が減ると思われる」と語る。

「それは必ずしも危険性のためだけでなく、人々は旅行中にその時々で計画を変更できるのを好むからだ」とオルティス氏は言う。「そしてそれは今後も続くだろう」

 映像は、バレンシア州ペニスコラ(Peníscola)のキャンプ場に並ぶキャンピングカー、同地のキャンピングカー製造工場、マドリードのキャンピングカー販売・レンタル店。7月撮影。 (c)AFP/Hazel Ward with Manon Billing in Paris