【8月17日 AFP】インド洋の島国モーリシャス沖で、商船三井(Mitsui OSK Lines)の運航する貨物船「わかしお(MV Wakashio)」が座礁し燃料が流出した事故で、船体が真っ二つに分断されたことを受け、沿岸部へのさらなる被害を防ぐため、タグボートを使って船体の3分の2に相当する船首側を回収する計画が検討されている。首都ポートルイスの警察筋が、匿名を条件にAFPに明かした。

 モーリシャスでは数千人のボランティアが、ハネムーン客や観光客の人気を集めてきた青い海を守ろうと昼夜を問わず清掃活動を続けている。

 AFPの取材に応じたこの警察関係者によると、残る船体の3分の1はサンゴ礁に乗り上げたままで、どうやってこれを取り除くかについて当局はまだ決めかねているという。

 事故対応のため設置されたモーリシャス危機対策委員会の16日の発表によれば、この3分の1の船体部分には機関室があり、30立方メートルの燃料が残っている。だが、今後5日間にわたり「最高3.5メートルの大波を伴う」荒天が続くとみられ、この燃料の回収は困難な作業になりそうだという。

 一方、フランスのセバスチャン・ルコルニュ(Sebastian Lecornu)海外県・海外領土相は16日に現地を訪問し、フランスが派遣した救援隊の活動を視察。燃料の重油による汚染を取り除くには「少なくとも10か月はかかる」との見通しを示した。

 現地には同日、インドの沿岸警備隊10人が総重量28トンのオイルフェンスや荷船、水に浮いた燃料を回収する機材などを携えて到着した。

 海洋からは16日までに、液体状の重油800トン余りと汚泥状の重油や汚染ごみ400トン余りが除去された。(c)AFP