貧困者の視力回復に尽力 中国・河北省の移動医療隊
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【8月17日 People’s Daily】河北省(Hebei)蔚県(Yu)蔚州鎮(Yuzhou)に住む常おばさん。3年間に夫と2人の息子を相次いで病気で亡くし、その悲しみと疲れで視力をほぼ失った。地元の病院で診断してもらうと、難しい手術が必要とされ、大病院を勧められた。しかし、手術の費用は高額で、常さんは手術をためらっていた。すると2018年の夏、移動医療隊が蔚県を訪れ、手術をしてくれた。常さんはいまでもそのときのことを思い出すと胸が一杯になる。
この医療隊は人数が12人。15年間に約30万キロを移動。張家口(Zhangjiakou)などの貧しい患者2万3605人を治療した。
張家口の一部は深刻な貧困地区。紫外線が強く、白内障の発生率が高かった。多くの患者は辺ぴな農村の住民で、その多数が貧困者だった。病院で白内障の手術をすると、数千元かかる。一部の貧困者は負担できず、ほうっておくしかなかった。
そこで河北省衛生庁は2005年、省直属機関である第1診察部の白内障超音波乳化専門チームに医療隊を組織させた。貧困者救済資金を利用し、眼科手術車を使い、貧困者の治療をすることにした。車の名称は「復明(視力回復)12号」。毎年6~8月に出動し、各地に最長5日間滞在、1日当たり40回余りの手術をする。
隊長の牛士河(Niu Shihe)さんは「われわれの苦しさなんて、なんてことはない。患者は治療しなければ、暗闇の中でもう1年待たなければならないんだ」と語った。
ある隊員は「最初の数年間、手術をしたのは、長年見えなかった人たちだった。ある老人は、孫が生まれたあと、一度も見ていなかった」と言い、目の縁を赤くした。
手術を受けたある老人はガーゼを外したあと、孫を見て「この歳になって、孫がどのように育っているか見ることができるとは思わなかった」と言って涙を流した。
劉哲峰(Liu Zhefeng)さんは今年72歳。移動医療隊のベテランだ。発足して15年、顔触れはほとんど変わっていない。劉さんは引退後もじっとしておられず、貧しい人々のことが気に掛かり、医療隊に加わっている。劉さんは「貧困家庭では1人が視力を回復すれば、家庭の負担が減り、貧困から脱却できる。われわれはできるだけのことをする」と語った。(c)People's Daily/AFPBB News