【8月17日 AFP】(更新)ベラルーシの首都ミンスクで16日、大統領選の不正疑惑をめぐるこれまでで最大規模のデモが行われた。現地のAFP記者によると参加者数は推計10万人超で、旧ソビエト連邦崩壊後では最多となった。しかし、同日演説したアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領(65)は、辞任要求を傲然(ごうぜん)と拒否した。

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 市中心部の外れにある第2次世界大戦(World War II)記念碑では、集まった人々が「出て行け!」と繰り返し叫んだ。デモ隊は、同市中心部の独立広場に向けて行進。広場には花や風船を手にしたデモ参加者らが集結し、Vサインを掲げた。

 26歳のデモ参加者は「今、私たちは歴史を変えている」とAFPに語った。6歳の子どもがいるという39歳の母親は、「新しいベラルーシが始まりつつあると信じている。それを自分の目で見られるのがうれしい」と話した。

「自由の行進」と呼ばれた今回のデモには、軍帽をかぶった制服姿の退役空挺(くうてい)兵のグループのほか、カトリック教会の聖職者も参加した。黒い聖職服を着たカトリック教会の聖職者、ユーリ・サンコ(Yury Sanko)氏は「ミンスクが一つになり、ベラルーシ人が結束したことは、これまで一度もなかった。これは自由の祭典だ」と語った。

 また、70歳の女性は「市民がこれほどうれしがっているのを見るのは初めて」と述べ、「今の権力者たちに、集団農場の農奴のように生きることにうんざりしている」と話した。

 地元メディアによると、国内各地の都市でも大規模デモが繰り広げられた。

 ルカシェンコ氏は旧ソ連構成国のベラルーシで26年にわたり強権統治を続けてきたが、その統治において前例のない困難に直面している。

 同日、ルカシェンコ氏はミンスク中心部で国旗を振る支持者を前に、選挙運動のような異例の集会を開催。「私を守るためではなく、この四半世紀で初めて、あなたたちの国とその独立性を守るために集まってもらった」と呼び掛け、選挙結果の正当性を改めて強調した。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya