【8月17日 Xinhua News】中国汽車工業協会(CAAM)と全国乗用車市場情報連合会(CPCA)はこのほど、7月の国内自動車販売データをそれぞれ発表した。統計方法が異なることから、CAAMによる乗用車販売台数は前年同月比8・5%増、CPCAによる小売販売台数は7・7%増と差が見られたが、そろって2年ぶりの高い成長率を記録した。

 自動車業界アナリストの梅松林(Mei Songlin)氏は「7月は自動車販売の閑散期で、販売台数が7月を下回るのは例年、春節(旧正月)のある月だけだ」と指摘。だが今年の7月は、新型コロナウイルス感染拡大で先送りになった国内消費者の購入需要が大きく喚起され、2018年と19年の値が低かったこともあり、2年ぶりの高い成長になったとした。

 ただ梅氏は、中国の自動車市場が転換点を迎えたと断定するのは時期尚早で、自動車市場は感染症発生前の状態にほぼ戻ったが、今はまだ長期の低水準の状態にとどまっているとの見方を示した。

 新エネルギー車(NEV)は自動車市場の優良部門になっている。CPCAの予測によると、下半期(7~12月)は小型電気自動車(EV)販売台数が大幅に回復する見込み。リン酸鉄リチウムイオン電池の搭載など低コスト化の措置が取られることで、低価格の新車が多く発売されるためだとした。関連部門による「汽車下郷(農村への自動車普及)」の推進強化も下半期のNEV急成長を支え、今後数年のNEVの急成長を促す可能性がある。

 CAAMの許海東(Xu Haidong)副チーフエンジニアは、NEV販売台数は今後数カ月で相対的に安定した成長を維持するとし、今年の国内市場販売台数は110万台に達すると推計している。(c)Xinhua News/AFPBB News