【8月16日 AFP】中国で食品廃棄の問題に対する全国規模のキャンペーンが展開される中、同国のレストランが過剰に反応し、入店前の客に対して体重測定を求める方針を打ち出した。だが、これが物議を醸して謝罪に追い込まれた。

 中国中部・長沙(Changsha)にある牛肉料理のレストランが14日にこの方針を明らかにすると、たちまちソーシャルメディア上で厳しい批判を浴びた。

 国営中国新聞社(CNS)の報道によると、客は店の前に置かれた体重計に乗るよう求められ、自身のデータをスキャンしてアプリに取り込むと、アプリが体重と料理のカロリー量に基づき、選ぶ料理を勧めてくれるという。

 習近平(Xi Jinping)国家主席は先週、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)や先月発生した深刻な洪水の影響で、食品価格が高騰している現状を踏まえ、国民に対して食べ残しをやめるよう強く求めた。

 地域のケータリング業界はこれに応えようと、中国で深く根付いている、宴会で多めに食事を注文する文化的習慣を覆すべく、人数分より1品少なく注文するよう客に求めている。

 批判を浴びた長沙のレストランは15日朝、ネット上で謝罪。「食べ残しをやめ、健康的なやり方で料理を注文することを呼び掛けるのが本来の意図だった。体重測定を客に強制したことは一切ない」と述べた。

 中国の国営メディアは暴食している動画を投稿する「喫播(Mukbang)」と呼ばれる行為についても批判を展開しており、ライブ配信サイトは暴食や食べ残しを助長するアカウントを閉鎖する意向を明言している。(c)AFP