【8月16日 AFP】ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は15日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がベラルーシの治安確保のため支援を表明したと述べた。大統領選で再選を決めたと主張するルカシェンコ大統領は、引き続き反政府デモ参加者からの圧力を受けている。

 ルカシェンコ氏は今月9日、大統領選での再選を宣言。それを受けて抗議デモが行われ、10日には首都ミンスクでデモに参加していたアレクサンドル・タレイコフスキー(Alexander Taraikovsky)さん(34)が死亡した。

 多数の野党支持者らは15日、タレイコフスキーさんが死亡した場所に集まり、花を手向けた。警察が厳しい対応を控える中、集まった人々は「ありがとう!」と叫び、Vサインをした手を上げた。

 人々はその後、国営テレビ・ラジオ局前に集まり、ルカシェンコ氏を支持してデモについて偏向報道をしていると抗議。やがて警察の機動隊が到着し、建物の入り口を封鎖した。

 当局は、一連のデモのさなか2人が死亡したと明らかにしている。1人はタレイコフスキーさんで、デモ中に持っていた爆発物が起動して死亡。もう1人は、南東部ゴメリ(Gomel)で拘束中に死亡した男性だ。

 1994年の大統領就任以来、最大の難関に差し掛かったルカシェンコ氏は、ロシア政府に支援を要請し、プーチン大統領と電話会談した。

 会談後、ルカシェンコ氏は軍幹部に対し、プーチン氏が「ベラルーシの治安確保」のため「包括的な支援」を表明したと述べた。一方のロシア政府は、両首脳がベラルーシの「問題」を「すぐに解決」し、両国の関係を強化することで合意したと述べた。

 大統領選でルカシェンコ氏の主な対立候補だったスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は14日、権力の移譲を確実にするため調整協議会を設置すると発表。各国政府に対し、ベラルーシ当局との対話の機会をもうけるため協力を要請した。

 また、チハノフスカヤ氏は当局に対し、被拘束者全員の釈放、市内からの治安部隊の撤退、デモの取り締まりを命じた者の刑事事件としての捜査を求めた。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya