【8月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は15日、米国が提案した対イラン武器禁輸措置を延長する決議案を国連安全保障理事会(UN Security Council)が14日に否決したことを受け、国連制裁を復活させる「スナップバック」という仕組みの発動を試みると述べた。

 トランプ氏は「われわれはスナップバックを行う」と述べ、週明けに制裁の復活に乗り出す姿勢を示した。トランプ政権は2018年、2015年のイラン核合意から離脱すると宣言。しかし米政府は、自国は依然として同合意の「参加国」だとして、イランが合意条件に違反しているとみなせば制裁復活を強制させることができると主張している。

 国連安保理の採決では、15か国中2か国のみが賛成。トランプ政権はドミニカ共和国から支持を得られたのみで、イランの嘲笑の的となった。欧州の米同盟国はすべて棄権し、ロシアと中国が反対した。否決を受けて、トランプ政権のイラン核合意離脱後に米国が孤立している状態が浮き彫りとなった。

 専門家らは、トランプ氏が制裁復活を遂行すれば、安保理は史上最悪レベルの外交危機に陥る恐れがあると警告している。武器の禁輸措置は10月18日に期限が切れる。(c)AFP