【8月15日 AFP】ロシア検察当局は14日、ベラルーシで9日に行われた大統領選の前に情勢不安定化を画策したとして同国の当局に拘束されていたロシア人傭兵(ようへい)32人の身柄が引き渡されたと発表した。

 検察当局は、「ベラルーシで拘束されていたロシア国民32人は国境を越え、現在、ロシアにいる」と明らかにした。ロシアとベラルーシの二重国籍を持つ1人はベラルーシにとどまっているという。

 大統領選を控えていたベラルーシは7月下旬、ロシア人33人をミンスク郊外の保養地で拘束したと発表した。

 ベラルーシ国家保安委員会(KGB)は、33人は民間軍事会社ワグネル(Wagner)の傭兵だと説明。ある高官は、テロ行為を準備していた疑いがあると述べたが、ベラルーシ政府はその後、説明を改め、大規模騒乱を画策していた容疑で刑事罰に問うとし、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の反対派で、拘束されたベラルーシ人と行動を共にしていたとの見方を示していた。

 ロシアはベラルーシの大統領選への介入を否定しているが、33人が拘束されたことを厳しく非難することはせず、彼らに落ち度はないと述べるにとどまっていた。

 拘束された33人は、ベネズエラを含む外国旅行を計画していたと証言していた。その後、このうちの数人がウクライナ東部で親ロシアの分離派と共に戦闘に加わっていたことが明らかになり、ウクライナ政府は本国への送還を求める意向を示していた。(c)AFP