【8月15日 AFP】イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が交わした国交正常化に向けた歴史的合意について、各国政府は14日、行き詰まった中東和平交渉に活路を見いだすきっかけになるとの期待を表明した。ただ、パレスチナやその同盟国は合意を裏切りだと非難している。

 合意は13日、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が発表。UAEはイスラエルと国交を持つ3か国目のアラブ系国家となり、親欧米派の湾岸諸国がこれに続く見込みが高まっている。

 イスラエルは合意に当たり、パレスチナ自治区併合計画の停止を誓約。仏独をはじめとする欧州諸国や親欧米派アラブ諸国は、この譲歩が中東和平を後押しするとして歓迎している。

 ただ、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、ヨルダン渓谷(Jordan Valley)とヨルダン川西岸(West Bank)にあるユダヤ人入植地の将来的な併合を断念したわけではないと強調した。

 パレスチナ自治政府はイスラエル・UAE間の合意について、信頼に背く「裏切り」行為だと抗議。駐UAE大使の召還を表明した。

 ヨルダン川西岸では、ナブルス(Nablus)でUAE・アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザイド・ナハヤン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Zayed al-Nahyan)やネタニヤフ氏、トランプ氏の写真が燃やされた。ラマラ(Ramallah)の事務職員、ジハード・フセイン(Jihad Hussein)さんは「パレスチナ人はUAE政府に裏切られた」と憤った。(c)AFP/Jonah Mandel