【8月14日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は13日、民主党の副大統領候補カマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員は副大統領になる資格がないとする説に言及し、かつてトランプ氏がバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領について広めた、出自を問ういわゆる「バーサー(Birther)」論を繰り返した。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)での記者会見でハリス氏について、「資格がないそうだ。ところで、あの文章を書いた弁護士は非常に有能で、才能がある弁護士だ。あれが正しいかどうかは見当もつかない」と述べた。さらに、「民主党は副大統領候補に選ぶ前に、当然確認したと思っている」と続けた。

「だが、これはとても深刻な事態だ。彼女はこの国で生まれていないのだから、資格がないと彼らは言っている」

 このうわさについて質問した記者はこれを受け、ハリス氏は米国生まれだが、両親は当時、米国の永住権を持っていなかった可能性があると述べた。

 トランプ氏が取り上げたのは、米誌ニューズウィーク(Newsweek)に掲載された保守派の法学教授による論説だとみられている。この論説は、ハリス氏の出生時の両親の在留資格を理由に、同氏には副大統領や大統領になる資格がないという誤った主張をしている。

 カリフォルニア州選出の上院議員であるハリス氏は1964年、カリフォルニア州オークランド(Oakland)でジャマイカ出身の父と、インド出身の母の元に生まれた。

 トランプ氏は、オバマ氏は米国生まれではないといううそを吹聴し、政治の世界で注目を浴びるようになった。だが2016年の大統領選終盤には、渋々ながらオバマ氏は米国生まれだと認めた。

 米国憲法は、米国で生まれた35歳以上の米国市民であれば、大統領または副大統領になる資格があると定めている。

 憲法学者のアーウィン・チェメリンスキー(Erwin Chemerinsky)氏はCBSの取材に対し、ハリス氏の出自に対する主張は「本当にばかげた議論だ」と話した。(c)AFP