【8月16日 CNS】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)青羊区(Qingyang)に住む黄保全(Huang Baoquan)さんは、毎日午後、両足に「石の靴」をはいて歩く鍛錬をしている。その重さは計108キロ。南京(なんきん)錠の形をした石製の体力鍛錬器具を靴代わりにして運動する方法を考案し、これを「石錠カンフー」と呼んでいる。

 今年で60歳の黄さんは45年前からこの運動を始め、長年にわたり20組以上の石の錠前を使いこなしてきた。現在、黄さんの家にある錠前で最も軽いのは22キロ、最も重いのは54キロ。四川省の各地で見つけた硬い石を使い、ノミとハンマーでかたどった。毎日午後には、台車を使って石錠を運び、穴の部分に足を入れて歩いて家に戻る。わずか230メートルの距離で、40分以上かかるという。

 黄さんは「過去に何度か手術を受けて体調がよくなかったけど、石の錠前で鍛えてから、前よりずっと元気になりました。いきなり練習するのでなく、まず腕立て伏せをして、腰や背中、手の力をちゃんと鍛えてから、初めて石の錠前に触れています」と話す。

 黄さんの足の甲(こう)やふくらはぎには、長い間石にこすりつけられたせいで、あちこちタコができている。黄さんは「石錠カンフー」を多くの人に伝えたい思いもあるが、誰でもできるわけではないことも分かっている。黄さんは小さい時から力持ちで、肉体労働の仕事を長年しているので、基礎体力が備わっているからできる鍛錬法だ。

 四川省骨科医院予防センターの路懐民(Lu Huaimin)主任医師は「黄さんは長期にわたって石の錠前を使った練習をしているので、体が順応して一定の運動効果がある。ただ、今後は年齢に合わせて強度を徐々に下げていくべきだ」と指摘。同時に、「他の人がまねをしたら、けがをしてしまう可能性が高い」と警告する。

 黄さんは専門家のこうした助言を受け入れ、今後は体調に合わせて石の錠前の重さを減らし、70歳になったらこの鍛錬法をやめる考えだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News