【8月17日 AFP】米大統領選の副大統領候補へと型破りの選出を果たしたカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏(55)は、父方の祖国ジャマイカに夢と希望を、インドに住む母方のおじとおばに誇りを与えている。

 ハリス氏は1964年、米カリフォルニア州で、ジャマイカ人の経済学者の父ドナルド・ハリス(Donald Harris)氏と、インド人の乳がん研究者の母シャマラ・ゴパラン(Shyamala Gopalan)氏の間に生まれた。

 ハリス氏は黒人としてカリフォルニア州初の州司法長官を務め、南アジア系のルーツを持つ女性として初めて米上院議員に選出された。11月の米大統領選挙で民主党候補指名を確実にしている民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領に11日、副大統領候補に指名されたことを受け、現在、米国初の女性副大統領となる道を模索している。

■自分重ね夢膨らませる子どもたち

「ハリス氏に自分を重ね、さらに大きな夢を見るこの国の子どもたちに、私の心は舞い上がっている」とジャマイカの首都キングストンで役員秘書を務めるフェリシア・ミルズ(Felicia Mills)氏(36)は12日、述べた。

 ハリス氏を「名誉あるジャマイカ人」と形容するミルズ氏は「(ハリス氏の躍進は)かないそうにないことを夢見るすべての少女たちにとって、多くのことを意味する」と続けた。

 ジャマイカ政府の上層部でさえ、この選出を重視している。同国のカミナ・ジョンソンスミス(Kamina Johnson Smith)外務・貿易相はツイッター(Twitter)に「ハリス上院議員の歴史的な選出、おめでとう!」と投稿した。

 インドでも同様の盛り上がりが感じられた。「とにかくうれしくてたまらない」とハリス氏の母方のおじで、首都ニューデリー在住の学者バラチャンドラン・ゴパラン(Balachandran Gopalan)氏は12日、AFPに語った。「彼女はとても献身的な人物だ。公務にも、最も重要である人間の共通の良識にも、懸命に取り組んできた」

 ハリス氏の亡き母シャマラさんは、祖国インドを1960年に離れたが、しばしば娘たちを連れて帰って来ていた。シャマラさんが2009年に亡くなると、「ベンガル湾(Bay of Bengal)に遺骨を葬るため」ハリス氏はインドに戻ったとバラチャンドランさんは述べた。

 バラチャンドランさんは、ハリス氏の選出はインド系米国人にとって「一大事」だと考える。「(インド系米国人は)これまでは高度な専門技術職に就いてきただけだったが、今回は政治的に最高位の職業の一つだ」