【8月14日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は13日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)への出場を表明した。これにより、新型コロナウイルスによる中断からの再開後では初となる四大大会(グランドスラム)に向けた、自身の立場に関する臆測に終止符を打った。

 グランドスラムで通算17回の優勝を誇る33歳のジョコビッチは、自身のツイッター(Twitter)アカウントに、「今年のウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2020)と全米オープンに参加することを喜んでお知らせする」「あらゆる局面における、全ての障害や試練からすれば簡単な決断ではなかったが、再び出場する見通しが立ってとてもわくわくしている」と投稿した。

 31日に米ニューヨークにおいて無観客で開幕する全米オープンを前に、ジョコビッチは前哨戦のウェスタン&サザンオープンに向けて15日に米国に到着する予定となっている。同大会は例年シンシナティ(Cincinnati)で開催されているが、今年は会場がニューヨークに変更された。

 ジョコビッチが出場を決めたことは、大勢のトップ選手が辞退している今年の全米オープンにとって大きな弾みになる。

 男子では通算4度の優勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を筆頭に、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)や元大会覇者のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)が欠場を決めたほか、通算5度のタイトル獲得を誇るロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)も、膝にメスを入れて出場を見送った。

 一方、女子では世界1位のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)や昨年大会を制したビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)ら有力選手が不在となっている。

 ジョコビッチは、6月に自身が主催するバルカン半島での慈善大会において、自身を含めて大勢の選手が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性となったことで激しい批判にさらされた。

 それ以来の実戦復帰となるジョコビッチはこの日、公式ウェブサイトにコメント文を発表し、「今回は選手やニューヨークの人々を守るために、これまでと全く違う手順や安全対策が施されていると承知している」「それでも、チームと練習に励んで調子を整えているから、新しいコンディションに適応する準備はできている」と述べた。

 また、「全ての健康診断」を終えて新型コロナウイルスから完治したことも明かした上で、「最高のテニスを約束できる状態でコートに戻る準備ができている」と意欲を見せた。(c)AFP/Nick REEVES