【8月14日 AFP】北朝鮮が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)との闘いを強化しており、首都平壌の公共交通機関では検温や手指の消毒、マスク着用が義務付けられている。

 医療システムが脆弱(ぜいじゃく)な北朝鮮で感染が拡大すれば、対応に苦慮するとみられるが、感染者はいないと同国は主張している。

 しかし、7月には国内で初めて新型コロナウイルスの感染疑いが見つかったとして、非常事態を宣言し、警戒レベルを最大級に引き上げた。感染が疑われる人物は、韓国から北朝鮮に戻った元脱北者だと発表した。

 北朝鮮はこの人物が検査で陽性反応を示したかは認めていないが、同国にとっては、主要同盟国で新型ウイルスが最初に発生した中国から持ち込まれるよりも、こうした感染源の方が外交上、好都合といえる。

 12日に平壌で撮影された写真には、バスの乗客が全員マスクを着用して乗車前に手を消毒するため並ぶ様子が捉えられている。

 平壌の駅では、マスクを着用した人々が入場前に検温を受けたり、待合室内で当局者らが予防措置として消毒剤の散布に追われたりする様子も見られた。(c)AFP