【8月14日 AFP】国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」に大きく貢献してきた著名な氷河学者、コンラッド・シュテフェン(Konrad Steffen)氏(68)が、デンマーク領グリーンランド(Greenland)での現地調査中に事故死したことが分かった。同氏が所長を務めるスイス連邦森林・雪氷・景観研究所(WSL)が12日、発表した。

 スイスと米国の国籍を持つシュテフェン氏は、今月8日から行方不明になっていた。クレバスに転落したとみられている。

 WSLによると、シュテフェン氏は氷河と海洋の分野の第一人者として活躍していた。

 警察がただちに捜索を開始したが、9日に氷河の裂け目に転落した証拠が見つかったため、グリーンランド南西部イルリサット(Ilulissat)近郊での捜索活動は遺体発見に至らないいまま打ち切られた。

 同僚の科学者カティー・リクリン(Kathy Riklin)氏のツイッター(Twitter)への投稿によると、事故現場はシュテフェン氏が滞在していたキャンプ地からわずか100メートルしか離れていない場所で、同氏はクレバス上にアーチ状に残ったスノーブリッジ(雪橋)を踏み抜いてしまったとみられるという。(c)AFP