【8月14日 AFP】ミャンマーで同国史上初となる人工衛星の打ち上げ準備が進められている。新興宇宙開発国同士の「意外な」共同開発計画に参加する意向を示しているのだ。

 アジア9か国が開発を進めている、超小型衛星同士が連携する宇宙計画では、台風、地震活動、水流などの追跡調査や、土地の利用、作物の成長、病気の流行などのデータ収集が可能になると見込まれている。

 フィリピン、ベトナム、インドネシアなどが参加するコンソーシアム(共同研究開発事業体)の中で最も経済面での発展が遅れているミャンマーにとっては、今回が初の宇宙事業となる。

 地球環境を宇宙から観測することで得られる恩恵は、ミャンマーが投じる膨大な費用に見合うものだと、ミャンマー航空宇宙工学大学(Myanmar Aerospace Engineering University)のチー・トゥィン(Kyi Thwin)学長は話す。

 ミャンマー中部の都市メティラ(Meiktila)近郊にある大学でAFPの取材に応じたトゥィン学長は「自国の衛星を自国で開発すれば単純に安上がりになる」と述べ、またこの技術はミャンマー経済にとって「一足飛びに躍進する」助けになるとの見解を示した。

 それでもミャンマーがいる「軌道」は、まだ宇宙開発大国とは同じというわけではない。トゥィン学長が取材に応じた大学の建物はスペースシャトルの形をしているが、この最上部(シャトルの機首部分に当たる区画)の損壊部分を修理することもままならないほど、その予算に余裕はないのだ。

 だが、技術的な進歩と協調の精神によって、人工衛星の打ち上げはもはや米国、ロシア、中国などの大国だけのものではなくなっているのは確かだ。

 共同開発計画を主導する日本の二つの研究機関のうちの一つ、北海道大学(Hokkaido University)の高橋幸弘(Yukihiro Takahashi)氏はナイジェリアを例に挙げ、同国が人工衛星技術の安価な産出の世界的拠点となっていると指摘する。