【8月14日 Xinhua News】中国上海市奉賢区のホームテキスタイル企業、水星控股集団と貴州省(Guizhou)遵義市(Zunyi)鳳岡県(Fenggang)は7月、同県での養蚕環境配慮型発展プロジェクト「星のシルクロード」共同推進の投資契約に調印した。貧困救済協力事業としての「東桑西移」(養蚕業を経済発展の進んだ東部地区から西部地区へ移すプロジェクト)が、同県に新たな発展のチャンスをもたらした。

 生糸というと純白をイメージするが、同県永和鎮(Yonghe)永和社区(コミュニティー)の黄志強(Huang Zhiqiang)さんのカイコは黄色の糸を吐く。このカイコは同集団と浙江省(Zhejiang)湖州市(Huzhou)農業科学院、上海の東華大学(Donghua University)が共同で開発した品種「水星1号」だ。

 開発では、カイコを20代以上育てながら優良品種を選び出し、赤、黄、緑、ピンクなど天然の7色の糸を吐く品種をそれぞれ水星1~7号と名付けたという。これらのカイコの繭は厚くタンパク質の含有量も多く、繭玉一つから最長で1600メートルの糸を取ることができる。

 試験的に養殖を行う第1陣の農家として、黄さんと村の数人が水星1号を受け取った。カイコは無償で提供され、繭の収穫期に繭の代金で養蚕費を相殺する。カイコの成長周期は短く、1齢の幼虫期から繭を作る5齢まで28日間で育つ。管理の標準化によってこの周期は大幅に短縮され、養蚕農家は「18日で現金化」を実現した。

 地元の農家によると、山の斜面1ムー(約667平方メートル)当たりクワの苗800~千株を植えることができるという。樹齢4年のクワ畑1ムー当たりの葉の年間生産量は3千キロで、1キロ当たり0・8元(1元=約15円)で買い付けが行われている。

 同県は現在、養蚕業を「富民強県」に導く重要な産業と位置付け、土地利用の流動化と産業の高度化を通じて上質のクワの栽培面積を5万ムー(約3300ヘクタール)に拡大し、村レベルの養蚕合作社(協同組合)100社以上を設立し、養蚕農家を1万世帯以上に増やすことを計画している。(c)Xinhua News/AFPBB News