【8月13日 AFP】レバノンの首都ベイルートの港湾地区にある倉庫で発生した大爆発をめぐり、同国の司法当局は12日、検察が複数の閣僚に事情聴取する見通しだと明らかにした。爆発による被害はベイルート一帯に及んでおり、市民らの怒りはこれまでにない水準に達している。

 爆発から1週間がたった現在も、路上に散乱したガラスの撤去が続けられている。レバノン当局によると爆発による死者は171人、負傷者は6500人に上っており、さらに一時的に避難を余儀なくされている市民はおよそ30万人に達し、平時としては同国史上最悪の被害となっている。

 AFPの調査によると、大規模な爆発の危険性を指摘する専門家らの意見があったにもかかわらず、当局者らは爆発前日まで倉庫の保管物について懸念を交わしていたものの、何の対策も講じなかった。

 司法当局者によると、今回の惨事について検察当局が複数の閣僚および閣僚経験者に事情を聴取するという。

 世界保健機関(WHO)は12日、評価を行った医療施設55か所のうち、過半数が「機能不全」状態にあると表明。大病院3施設は稼働しておらず、また別の3施設も通常の収容能力をはるかに下回っているという。(c)AFP/Layal ABOU RAHAL