【8月15日 AFP】韓国の南端に位置する巨済(Geoje)島にあるサムスン重工業(Samsung Heavy Industries)の造船所では、世界最大級のコンテナ船「HMM サンクトペテルブルク(HMM St Petersburg)」の完成へ向け、最後の仕上げが進められている。

 巨大な船体の奥深くにある、最高速度22ノット超での航行を可能にするエンジンはあまりに大きいため、溶接工らが小人のように見える。

 建造費が1700億~1800億ウォン(約150億~160億円)というこの船の全長は400メートル。仏パリのエッフェル塔(Eiffel Tower)より100メートル長く、船幅は62メートルに及ぶ。

 積載容量は2万3820TEU(20フィートコンテナの個数に換算した、貨物量を示す一般的な単位)で、船を所有する韓国海運大手HMMは、韓国の人気菓子であるチョコパイを70億個、地球上の全人口に1個ずつ配るのに十分な量を積むことができるとしている。

 船は9月に引き渡される予定で、初航海として上海などの中国の港へと向かった後、スエズ運河(Suez Canal)を通過してオランダ・ロッテルダム(Rotterdam)、独ハンブルク(Hamburg)、ベルギー・アントワープ(Antwerp)、英ロンドンをめぐる。

 韓国と欧州を往復するには12週間を要するが、船の巨大さと長い航行期間にもかかわらず、乗組員数はわずか23人だという。(c)AFP