【8月12日 People’s Daily】中国海南省(Hainan)で7月1日から、免税品の購入を幅広く認める「離島旅行客免税新政策」がスタートし、爆発的に免税品が売れている。統計によると、海南島で7月1〜27日に免税品を購入した人は前年同期比42%増の28.1万人。そして購入額はなんと234%増の22.19億元(約340億円)に達した。

 中国政府は現在、海南島での貿易・投資の自由化を進める自由貿易港プロジェクトを進めている。島内全域を「関税ゼロ」として国際的な観光消費センターとする将来像を描いており、今回の新政策もその一環だ。1人当たりの免税品購入額の上限を年間3万元(約46万円)から10万元(約153万円)に引き上げ、商品1品あたり8千元(約12万2千円)までという上限枠も撤廃した。一度に購入できる数量を制限されている商品の種類も大幅に減らした。

 海南省免税品有限公司の謝智勇(Xie Zhiyong)総経理は「高級ブランド時計、アクセサリー、携帯電話、高級酒などが飛ぶように売れています」と驚きを隠さない。今年に入り新型コロナウイルスの感染が拡大したが、免税サービスの強化で切り抜けを図り、今年上半期の免税品売り上げは前年同期比30.7%増の85.72億元(約1314億円)に達した。

 7月の新政策導入で売り上げはさらに伸びているが、課題も残る。7月1〜27日の間、1人当たりの平均購入額は約7800元(約12万円)で、10万元の上限額と比べるとまだ大きな差がある。免税対象のブランドの種類に限りがあり、一つのブランドの中でも商品が少ない場合がある。それぞれの経営者が仕入れルートを開拓し、より多くのブランドと商品を増やしていく必要がある。

 海南省の関連部門は7月10日、「多くのブランド・多くの品種・低価格」をワンセットに考え、入札方式の導入などで企業間の競争、価格競争を促進する方針を表明。謝智勇総経理は「今後、各企業は品ぞろえや価格、サービスでさらなる真剣勝負となる」と話す。 

 海南大学(Hainan University)政治公共管理学院の夏鋒(Xia Feng)研究員は「新型コロナウイルス感染症を抑制しているとはいえ、国民の旅行意識はまだ低い。ただ、購買意欲が落ちているわけではない。海南省は大きなチャンスを迎えている。免税政策と自由貿易港プロジェクトを推進し、海南島は一大国際観光消費センターとして飛躍していくことができる」と話している。(c)People's Daily/AFPBB News