豪北部準州、2022年まで入境制限を継続へ 先住民への影響考慮
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【8月12日 AFP】オーストラリア当局は11日、先住民アボリジニの人々を新型コロナウイルスから守るため、北部特別地域(Northern Territory、準州)に「ホットスポット(局地的流行地)」からの訪問者が立ち入ることを禁止する措置を18か月延長すると発表した。
政府の統計によると、同準州にはおよそ25万人が散在して暮らしており、うち30%をアボリジニの人々が占めるという。
同準州のマイケル・ガナー(Michael Gunner)首相はオーストラリア放送協会(ABC)の取材に対し、「厳格な州境管理を少なくとも18か月間敷く。これを実現するために予算を準備している」と話した。
アボリジニの人々は、社会経済的および文化的な要因が影響し、医療を受ける機会が限られるとともに、健康水準が低く、新型コロナウイルスなどの病気に罹患(りかん)した場合のリスクが高いとされている。
多くの先住民グループは、新型ウイルスが医療サービスの限られる遠隔地のコミュニティーで猛威を振るうのではないかと危惧している。
ガナー氏は、入境制限が「世界的にも最も被害を受けやすい人々を確実に、安全でいるようにするために必要なことだと考えている」と述べた。
パンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、同準州では感染者がほとんど確認されておらず、死者も出ていない。
現在のところ、ビクトリア(Victoria)州と同国最大の都市シドニーの住民は同準州への立ち入りが許されていない。ガナー氏は他の地域にも適用される見込みだと話している。
オーストラリアではこれまで、約2万2000人の感染、332人の死亡が確認されており、無期限で国境を閉鎖している。(c)AFP