【8月16日 AFP】台湾で流行の先端を行くカップルは、著名人でも10代のインフルエンサーでもない。「置き忘れられた」服を着てみせることでセンセーションを巻き起こしているのは、80代の2人組だ。

 張萬吉(Chang Wan-ji)さん(83)と妻の許秀娥(Hsu Sho-er)さん(84)は先月、インスタグラム(Instagram)でフォロワー60万人近くを集めた。

 夫婦は、ファッション誌のヴォーグ(Vogue)やマリ・クレール(Marie Claire)の台湾版でも特集された。

 夫婦は台中(Taichung)近郊の町で、数十年にわたりクリーニング店を経営。利用客が取りに来なかったり置き忘れたりした衣服を、夫婦は長らく捨てることができなかった。

 孫の張瑞夫(Reef Chang)さん(31)は、これらの服で夫婦の退屈を和らげるアイデアを思いついた。

 瑞夫さんはAFPに対し「祖父母は経営が振るわなかったため、通りをぼんやりと見つめていました」と語った。 「2人が楽しめる新しいものを見つけたかったのです」

 夫婦はカメラの前で自然体だ。

「これらの服を着てみせることで、私は30歳若返った気分になります」。AFPの取材に張さんは笑顔で答えた。「多くの人が『あなたは今有名で、若く見える』と言います」

 許さんも同じように感じている。「私は年を取っていますが、心は年を取っていません」「きれいな服を着て、楽しいことをしに出かけるのが好きです」

 夫婦に注目が集まったことで、置き忘れた服を取りに来る利用客も。また、店を見ようと静かな町を訪れるファンもいるという。

 張さんは、置き忘れられた服を数えなくなったが、現時点で少なくとも400着はあると見積もった。

 映像は7月30日撮影、投稿画像は孫の瑞夫さん提供。(c)AFP/Amber WANG