【8月12日 AFP】インド洋の島国モーリシャス沖で日本の海運大手、商船三井(Mitsui OSK Lines)が運航する貨物船が座礁し燃料が流出している事故で、国際連合(UN)の専門家チームが11日、現地入りした。環境被害の拡大防止を支援する。

 先月25日にサンゴ礁に乗り上げた商船三井のばら積み貨物船「わかしお(MV Wakashio)」からは、今月6日になって燃料が漏れ出し、すでに約1180トンが生態系の聖域といわれるモーリシャスの海に流出している。同船は計4000トンの燃料を積んでいた。

 モーリシャス当局によると船体の亀裂は日に日に拡大し、今にも船が真っ二つに折れる可能性があり、残る燃料約1800トンの抜き取り作業が急務となっている。
 
 日本政府は海上保安庁の職員ら6人で構成する国際緊急援助隊・専門家チームを派遣。またフランスは現場に近い仏海外県レユニオン(La Reunion)から長さ1.3キロ分のオイルフェンスやポンプ機材、防護服など計20トン以上に及ぶ技術装置とさらに技術アドバイザーらを派遣した。

 現地当局は貨物船が海岸線に近づきすぎた理由を究明しようとしており、現地警察は11日、インド国籍の船長と乗組員らの事情聴取を行った。

 映像は座礁した貨物船と、近隣地域で流出した燃料の除去作業を行う人々。9、11日撮影。(c)AFP