【8月11日 AFP】フランスの人里離れた高原でこのほど、違法レイブ(野外パーティー)が開催され、子どもを含む約1万人が参加した。ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を軽視する行為に、地元住民らからは怒りの声が上がっている。同国では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、5000人以上の集会が禁じられている。

 地元当局によると警察は9日朝から、違法レイブの会場となった中部ロゼール(Lozere)県セベンヌ(Cevennes)国立公園の一部を封鎖した。会場には8日深夜以降、参加者が車で続々と集まっていたという。

 ロゼール県職員は、当初は治安部隊が厳格な封鎖を実施していたが、参加者らは徐々に帰宅を許され、10日午後の時点で会場に残っていたのは約4500人だったと説明した。

 地元当局はAFPに対し、国立公園内の保護区にある一角を監視していた警察は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大リスクに関する健康上の理由」から、車両が会場を離れることを阻止していたと明らかにした。参加者の多くは酩酊(めいてい)しており、会場から運転して帰るのは、いずれにせよ不可能だったという。

 当局によるとお祭り騒ぎだった参加者らは、マスクを着用せず、ソーシャル・ディスタンシングも守っていなかった。

 ロゼール県はフランスで最も人口密度が低く、仏全土で3万人以上が命を落とした新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による深刻な被害は受けていない。

 法的責任を問うため、主催者を特定する捜査が進められている。

 映像は10日撮影。(c)AFP/Clara LALANNE