【8月12日 Xinhua News】中国北京市大興区(Daxing)はこのほど、国家発展改革委員会と北京市が共同で北京中日国際協力産業パークを同区に建設することを提起したと明らかにした。この産業パークは現在、同委員会の第2次「中日地方発展協力モデル区」と北京市の「第14次5カ年計画(2021~25年)」の重点プロジェクトに組み込まれる予定になっている。

 同区共産党委員会常務委員で常務副区長の高念東(Gao Niandong)氏によると、産業パークは北京市の中央を南北に貫く中軸線の南側延長線沿い、五環路と六環路の間で、京台(北京-台北)高速道路の両側という交通の便が良い場所に設置される見込み。計画面積は10平方キロ近くで、非常に広大な展開スペースが確保されている。

 日本の野村総合研究所や三菱地所設計と討議や協力を経て、同産業パークは国際的な科学技術協同イノベーションと産業協力の発展モデル区と位置付けられた。イノベーション産業の核心、生活サービスの核心、および情報発信の核心という三大セクター構築を重点に、「生命と健康」「先端スマート製造」「未来のモビリティー」を先導役として発展させる。生物化学工学、材料科学、現代技術、人工知能(AI)、エネルギー応用工学の発展を切り開き、現代サービス業が支える産業発展の枠組みを持つ。また、中日双方の産業とイノベーションの優位性を相互補完、中国の巨大な市場や完備された産業システムとビジネス環境の優位性を生かし、日本のハイエンド産業と製造の優位性を組み合わせて、特色ある産業イノベーション協力パークの構築を目指す。

 さらに、中日両国の人材と質の高い産業に対し、五環路外側にハイエンド産業受け入れエリアを確保し、ワーク・ライフ・バランスを実現する産業都市融合先進エリアを築く。同時に、北京市と東京都の友好都市関係の強みを生かして東京に日中産業パークを建設し、双方の技術、資金、プロジェクトの十分な流動を促進、双方向の開かれた、透明性の高い投資・産業振興環境を構築する。

 同産業パークの重要な一部となる大興国際水素エネルギーモデル区では、2020年中に水素補給モデルステーションと体験ショールームを完成させ、19年6月には全面改修を終える予定。

 同水素エネルギーモデル区の第1期では、世界最大の1日3・6トンの水素補給能力を持つモデルステーションの建設を予定。北京大興国際空港(PKX)や中国ネット通販大手、京東集団(JD.com)の物流基地などの応用シーンを活用し、空港バスや都市物流などの分野で燃料電池車の実用化を模索する。(c)Xinhua News/AFPBB News