【8月11日 AFP】スロバキア政府は10日、ロシアの外交官3人が「重大な犯罪」に関与したとして、国外追放処分としたことを発表した。この措置について現地メディアは、ドイツの首都ベルリンの公園で昨年起きたロシア・チェチェン(Chechen)共和国の元反体制派メンバー殺害との関連の可能性を報じている。

 スロバキア外務省のユライ・トマガ(Juraj Tomaga)報道官は「情報機関筋によると、『外交関係に関するウィーン条約(Vienna Convention on Diplomatic Relations)』に抵触する活動を行った」として、「在スロバキア・ロシア大使館の3人の職員を国外追放した」と発表した。

 ロシアメディアによると、ロシア政府はスロバキアに対し「同様の」報復措置を行うと表明している。

 スロバキアの日刊紙デニックN(Dennik N)によると、ロシア・サンクトペテルブルク(St. Petersburg)にあるスロバキア領事館は昨年、独ベルリン市内の公園クライナーティアガルテン(Kleiner Tiergarten)でジョージア人のゼリムカン・カンゴシュビリ(Zelimkhan Khangoshvili)氏を殺害したとされるロシア人に対し、欧州連合(EU)への入域を許可するビザを発給していた。

 ドイツ当局は事件直後にロシア人の男を容疑者として逮捕し、殺害を命じたのはロシア政府だと糾弾した。一方、ロシアは「事実無根」だとはねつけている。

 英国の検証サイト「ベリングキャット(Bellingcat)」は殺害を実行した人物の身元について、旧ソ連時代のカザフスタンで育ち、後にシベリア(Siberia)地方に移り住んだ暗殺者のワジム・クラシコフ(Vadim Krasikov)容疑者だと指摘している。(c)AFP