【8月10日 AFP】ニュージーランドは9日、国内で新型コロナウイルスの市中感染が確認されなくなってから100日目の節目を迎えた。ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は10日、同じく感染封じ込めに成功している太平洋の島しょ国クック諸島との間で、互いに隔離なしの渡航を認める「トラベルバブル」を年内に構築する計画を明らかにした。

 ニュージーランドには今も23人の感染者がいるが、いずれも入国時に確認された事例で、現在は隔離下にある。

 アシュリー・ブルームフィールド(Ashley Bloomfield)保健局長官は、「100日連続で市中感染ゼロを達成したことは画期的だが、知っての通り、現状に満足している場合ではない」とコメント。「いったんウイルスを封じ込めた地域で、すぐに感染が再燃し拡大する事例を海外で見ている。ニュージーランドも今後、感染が確認され次第抑え込む準備を整えておく必要がある」と述べた。

 ニュージーランド政府の新型コロナ対策は、効果的だとして広く称賛されている。人口約500万人の同国では2月に初の感染者が確認され、政府は3月19日に国境を封鎖した。国内の感染者数は累計1219人で、市中感染は5月1日を最後に確認されていない。

 この結果、国民はソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の必要もなく、スポーツの試合や文化イベントなども観客を入れて開催するなど、「コロナ以前」とほとんど変わらない生活を送っている。ただ、国境は厳しく管理され、全ての入国者に14日間の隔離が義務付けられている。(c)AFP