【8月10日 AFP】ニジェール南西部のティラベリ(Tillaberi)州で9日、バイクに乗った武装集団が援助団体職員のフランス人6人を含む8人を殺害した。当局者が明らかにした。

 ティラベリ州の知事は9日、ガイドと運転手のニジェール人2人とフランス人6人の計8人が死亡したとAFPに明らかにした。

 フランス政府は具体的な人数は示さずに自国民が死亡したことを認めた。仏援助団体「ACTED」は、観光をしていた同団体の複数の職員が殺害されたと発表した。

 ニジェール環境当局筋によると、襲撃は9日午前11時30分(日本時間同日午後7時30分)ごろ、首都ニアメーから車で1時間の場所に位置するクレ(Koure)からさらに東に6キロの場所で発生したという。

 環境当局筋はAFPに対し、「被害者の多くは銃で撃たれた。われわれは空になった弾倉を現場で発見した」とした上で、「襲撃者の身元は特定できていないが、バイクで低木地帯を通って現場に来て、(被害者らの)到着を待っていた」と述べた。

 約20年前、薄い色が特徴的なキリンの亜種、ナイジェリアキリンの小さな群れが、密猟者や捕食者からの安全な避難先をクレ地区に見いだした。現在では数百頭に増えたナイジェリアキリンは、現地の住民と保護団体に守られながら、多くの観光客を引きつける存在となっている。

 しかし、マリとブルキナファソの国境に近いティラベリ州は情勢が不安定で、サヘル(Sahel)地域で活動する「大サハラのイスラム国(ISGS)」といった過激派組織の潜伏先になっており、これまでにも多くのヨーロッパ人が誘拐や殺害の標的となってきた。(c)AFP/Boureima Hama