【8月10日 Xinhua News】台風4号(ハグピート)がこのほど、中国上海市をかすめ、市内は激しい雨と風に見舞われた。同市は今年から、ネットワークによる一元化した社区(コミュニティー)管理モデルの普及を市内全域で進めており、洪水・台風予防に特化した応用システムのサービスモジュールを提供している。関連するビッグデータを分析、応用することで、コミュニティーの台風対策をさらに細分化、スマート化しており、今回の台風4号でも一定の成果を挙げた。

 長寧区(Changning)仙霞新村街道弁事処の周薇(Zhou Wei)主任は、ビッグデータ分析などのスマート化応用が、コミュニティー管理における盲点を除去、減少する上で役立っていると説明。街道弁事処、住民委員会、不動産会社から集まった300人余りの洪水・台風予防人員が随時、発見した問題点をプラットフォームに報告していると語った。

 周氏はまた、隠れたリスクが多い老朽化した団地を災害対策の重点対象とし、台風が来る前にスタッフが現場を見て回り、問題点があれば直ちに情報を送信すると紹介。これにより、緊急時に対応できる人員を迅速に集めることができ、対応にかかる時間が従来の30分以上から数分に短縮できたと述べた。さらに、こうしたシステムの導入が台風通過によるコミュニティーへのさまざまな影響を緩和、解決するのに役立つとの見方を示した。

 この「スマート洪水防止プラットフォーム」を活用することで、事前調査のペーパーレス化も可能になった。各観測地点から行政関連の「微信(ウィーチャット、WeChat)」公式アカウント上の電子フォームに入力するだけで、情報がリアルタイムでシステムの大画面に表示され、観測データなどが瞬時に同期、集計できるので、作業効率も大幅に向上した。

 上海市住宅・都市農村建設管理委員会はこの洪水・台風予防システムについて、まだ試験運用段階だが、将来的には市内全域に普及させ、市内各世帯の「スマート洪水防止」を向上させていく考えを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News