【8月8日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州コジコーデ(Kozhikode)の空港で、乗客乗員190人を乗せた旅客機が激しい雨と風に見舞われて着陸に失敗した事故で、当局は8日、死者数が18人に増えたことを明らかにした。

 格安航空会社エア・インディア・エクスプレス(Air India Express)のボーイング(Boeing)737型機は、新型コロナウイルスの流行により海外に足止めされたインド人を帰還させるため、特別便としてアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)を出発。

 だが7日夜、コジコーデの空港で滑走路をオーバーランして斜面を落下し、機体が真っ二つに折れた。

 現場に駆け付けた救急当局の幹部は、「燃料が漏れており、航空機で火災が起きなかったのは奇跡だ。(起きていたら)死者はもっと増えていただろう」と述べた。

 コジコーデの病院のベッドからAFPの取材に応じた乗客の男性(34)は、機体が地面に接触した後にすべてが「真っ白」になったと回想。「衝突後に非常扉が開き、私はなんとかして脱出した」「機体の前方は消えていた。完全になくなっていた。自分がどうやって助かったのか分からないが、感謝している。まだ震えている」と語った。

 ハルディープ・シン・プーリー(Hardeep Singh Puri)住宅都市兼民間航空相は、夜にかけて死者数が18人に増えたと明かした。当局によると、22人が深刻な容体だという。

 死者には操縦士2人のほか、子ども4人も含まれている。

 コジコーデの空港は、滑走路が高台にあり、一方の端が急斜面になっていることから、操縦技術を要する空港とみなされている。

 ケララ州はこの数日間、深刻な洪水に見舞われており、コジコーデでは同便の着陸時まで数時間、大雨が降り続いていた。

 映像は現地メディアMMTVが7日撮影・提供。(c)AFP/Arunchanra Bose at Kozhikode and Aishwarya Kumar, Bhuvan Bagga in New Delhi