【8月8日 AFP】自転車ロードレースのツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)で恐ろしいクラッシュに遭遇したドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen、オランダ)が、人工的な昏睡(こんすい)状態から目覚めてじきに帰宅できるようになると、レース主催者と医師が7日に明らかにした。

 レース主催者はツイッター(Twitter)に、「(ポーランド南部)ソスノビエツ(Sosnowiec)の病院から良いニュースが届いた! ファビオ・ヤコブセンが昏睡から目覚めた。容体は『良好』だ」と投稿した。

 ヤコブセンを治療している病院の医師団は、23歳の新星が2週間ほどで退院できる見通しであると報道陣に明かし、「患者は意識がある。こちらの指示にも反応していて、自発呼吸している。血圧も正常。きょうはとてもうれしい」と述べた。

 一方、この病院の副院長は、「これほどの激しい落車で生還できたのであれば、必ず競技に復帰できるだろう」とコメントした様子がポーランドのテレビで伝えられた。また、ヤコブセンは脳機能が「すべて正常」で、一定期間のリハビリを受けてから退院できる見通しであることも明かされた。

 この事故では選手数人とレース関係者が巻き込まれて負傷したが、いずれもけがの深刻度は低いとされている。

 一方、事故を引き起こしたとされるディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)に対して、所属チームのチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)は同日に出場停止処分を科し、「自転車競技連合(UCI)の懲戒委員会から事故に関する判断が出るまで、ディランをレースに出場させないことに決めた」とのコメント文を発表した。

 統括団体のUCIもまた、「ディラン・フルーネヴェーヘンの危険な振る舞いを強く非難する」と述べ、事故に関して懲戒委員会に判断を委ねていると明かした。

 27歳のフルーネヴェーヘンは、2017年のツール・ド・フランス(Tour de France)で仏パリのシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りを走る最終ステージを制するなど、同レースで通算4度のステージ優勝を記録している。(c)AFP