【8月7日 AFP】(写真追加)インド洋の島国モーリシャスは6日、同国南東部沖で座礁した貨物船から、燃料が漏れ出していると発表した。環境活動家らは、周囲に大きな影響が出る恐れを危惧している。

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 日本企業所有でパナマ船籍の「わかしお(MV Wakashio)」は先月25日に座礁。乗組員は安全に避難した。

 船舶関連の情報サイトによれば、わかしおは2007年に建造され、総トン数10万1000トン、載貨重量トン数が20万3000トン、全長299.95メートルだという。

 地元メディアは、座礁時に積載されていた貨物はなかったものの、ディーゼル燃料200トンとバンカー燃料3800トンを積んでいたと報じている。

 同船が座礁したのは、国際的に重要な湿地の保全を目的としたラムサール条約(Ramsar Convention)の指定地域に含まれているポワントデスニー(Pointe d'Esny)で、ブルーベイ(Blue Bay)海洋公園に近い。

 環境省によると、ポワントデスニーと同海洋公園に汚染防止装置が送られた。政府は近隣のフランス海外県レユニオン(La Reunion)に支援を依頼しているという。

 カビダス・ラマノ(Kavy Ramano)モーリシャス環境相は記者会見で「われわれは環境危機に直面している」と述べた。

 またスディーア・モドゥー(Sudheer Maudhoo)漁業相は「この種の大惨事に見舞われたのは初めてで、問題の対応に当たるには、われわれの装備は不十分だ」と認めた。

 両氏によると、何度か船の安定を試みたものの、海が荒れており全て失敗に終わっている。また流出した燃料をポンプでくみ上げる作業も奏功していないという。

 環境保全活動家らは、船体が分断されて燃料の漏出量が増える恐れがあり、モーリシャスの海岸に壊滅的な被害が及びかねないと不安視している。

 世界有数の美しいサンゴ礁を誇るモーリシャスは、食料面でも観光業でも海に大きく依存している。(c)AFP