【8月7日 AFP】自転車ロードレースのツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)でドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen、オランダ)が事故に遭遇し、昏睡(こんすい)状態になったことを受け、同チームがクラッシュを引き起こしたチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)を訴える意向であると、ベルギーのベルガ(Belga)通信が6日に報じた。

 5日に発生した事故の直後、クイックステップの代表を務めるパトリック・ルフェーブル(Patrick Lefevere)氏は、フルーネヴェーヘンを刑務所に放り込むべきだと主張していた。そして、この日ヤコブセンが5時間の手術を受けた後も怒りが収まらず、「ツイッター(Twitter)でも話していた通りだ。フルーネヴェーヘンの動きは非常に汚いものだった。すでに国際自転車競技連合(UCI)には苦情を申し立てており、今後はポーランド警察にも告訴する。取り下げる気はない」と述べた。

「これまで何度もスプリント勝負を見てきたが、フルーネヴェーヘンがあのようなことをした理由が理解できない」

 この日の夜には、ポーランド・カトウィツェ(Katowice)の検察当局が事故の捜査を開始したと発表。検察はポーランド通信(PAP)に対して、「レース主催団体の代表者を含め、これまでに目撃者3人を事情聴取した。今後も他の目撃者から話を聞く予定だ」と明かした。

 警察はすでに、負傷したライダーの自転車など、事故関連の記録を集めている。

 23歳のヤコブセンは、混戦となった最後のスプリントでフルーネヴェーヘンと肘がぶつかる距離でデッドヒートを繰り広げる中、時速80キロでバリアーに激突した。ヤコブセンはフルーネヴェーヘンが右に急に進路を変えたために防護壁に押し付けられる形となり、宙で一回転してフェンスを乗り越えてレース関係者と衝突した。(c)AFP