【8月7日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は6日、新型コロナウイルスをめぐる「ワクチン国家主義」に警鐘を鳴らし、富裕国はワクチンを独占しても貧困国での状況が改善されなければ自国の安全は確保できないと指摘した。

 テドロス氏は米コロラド州で開催されているアスペン・セキュリティー・フォーラム(Aspen Security Forum)のテレビ会議にスイス・ジュネーブから出席。いずれ生産が始まる新型ウイルスのワクチンを世界各国が共有できるようにすることは、富裕国の利益になると強調した。

 テドロス氏は「世界の回復を速めるためには、一緒に回復しなければならない。なぜなら世界はグローバル化し、各国経済は密接に関係しているからだ。世界の一部、少数の国だけが安全な場所となり回復できることはない」と断言した。(c)AFP/Robin MILLARD