【8月8日 CNS】中国・吉林省(Jilin)は先月28日の記者会見で、今年上半期の吉林省の輸出入総額は621.9億元(約9450億円)だったと発表した。新型コロナウイルスの影響で前年同期比2.6%減となったが、マイナス幅は東北地方では最少で、全国的に見ても安定していた。

 長春(Changchun)税関の謝兵(Xie Bing)副代表によると、欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、韓国、ロシアへの輸出入額は軒並み減少した一方、日本やメキシコは増加。特に日本との輸出入額は前年同期比33.1%増の68.8億元(約1045億円)に達した。

 吉林省は中国における自動車産業の中心地。日本から自動車部品の輸入額は前年同期比49.9%増の32.6億元(約495億円)に上った。吉林省から日本への輸出額も増え、日本との輸出入額の増加率が突出した形となった。

 長春税関統計所の張靖(Zhang Jing)副所長は「新型コロナウイルスが世界的に拡大する中、自動車産業の部品供給が途切れないよう輸入を繰り上げた。政府の消費刺激策で自動車消費も回復し、自動車関連産業の成長を引っ張った」と説明した。

 貿易額で見ると、EUが依然として最大のパートナー。上半期の輸出入額は322.4億元(約4800億円)で前年同期比4.9%減だったが、全体の輸出入総額の51.8%を占めている。ASEANとの輸出入額は32.5億元(約490億円)で、前年同期比0.9%減。韓国とは2.8%減の32.3億元(約490億円)、ロシアは13.2%減少の22.8億元(約340億円)だった。

 上半期の民間企業の輸出入額は前年同期比1.2%増の136.9億元(約2000億円)で、全省の22%を占める。謝兵副代表は「新型コロナが感染拡大する中でも民間企業の輸出入は増加しており、国際貿易の安定成長のため大きな役割を担っている」と話した。

 吉林省の主要輸出入品は機械電子産品や農産物で、特に農産物の輸出額は前年同期比6.8%増の38.2億元(約580億円)に上った。目立ったのは果物やドライフルーツ、ナッツ類で、48.9%増の7.1億元(約100億円)だった。

 謝兵副代表は「税関の利便性をさらに向上し、中国と中央アジア、欧州を結ぶ貨物列車『中欧班列』の運行支援や、主要産業とハイテク産業への協力強化などをして、経済発展を促進していく」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News