【8月7日 People’s Daily】今年の世界読書デーに、中国広東省(Guangdong)深圳市(Shenzhen)の深圳図書館が提案して湖北省(Hubei)・広東省・厦門(アモイ、Xiamen)で「30分の朗読会」というイベントが行われた。AR技術を採用してオンラインで一緒に読書をすることが実現し、インターネットプラットフォームでライブストリーミングが行われた。

 近年、デジタル化技術の絶え間ない開拓により、文化資源のより良い保護と利用が実現した。デジタル化技術は新しい展示形式とユーザー体験をもたらし、人々は文化の精髄を家から出ずに見尽くすことができるようになった。

「イベントは『1+4+N』か所という、多くの会場で行われました。『1』とはAR上の読書会会場、『4』とは広州市(Guangzhou)・深圳市・武漢市(Wuhan)・アモイ市の4か所のメイン会場、『N』とはこの4都市の図書館や学校、企業、病院、工業団地、レストラン、自宅などの無数のスポットを指します」。深圳図書館閲覧普及推進室の黄婧(Huang Jing)さんが言うには、「朗読会」は市民が本を開くよう呼びかけ、本を味わい、読書の楽しみを享受することが趣旨である。

 今回のイベントは図書館代表と社会各界の代表が朗読を先導する役を務め、湖北省・広東省・アモイの150館の図書館と430のスポットが参加をした。朗読の声はそれぞれの町の空に響き渡り、時空を超えた「出会い」が実現した。

「クラウド朗読会」の他にも、深圳図書館は「クラウド図書館」を構築しており、市民の読書生活を豊かなものにしている。「クラウド図書館」では、読者は大量のデジタル資源を得ることができ、1枚の読者カードで図書館をまるごと携帯電話にインストールできる。読者はもはや論文を書くのに重い本をめくる必要がなく、1本のネットケーブルを通してすぐ検索をかけることができる。

 読者により快適な読書体験を提供するため、深圳図書館は最近「デジタル閲覧館」を立ち上げた。これは微信(ウィーチャット、WeChat)のアプレットで開発されたデジタル閲覧プラットフォーム。以前なら早朝から長蛇の列をつくって開館を待ったが、現在は「デジタル閲覧館」で深夜どっぷりと漬かることができるようになった。読者のオンライン閲覧へのニーズは非常に高まっており、開通からわずか一週間で、プラットフォームへのアクセス回数は3万6000回に達しており、リソースへのアクセスは34万回を突破した。

「家にいながらにして図書館をそぞろ歩くことは、疫病の影響下でのやむを得ない手段というだけでなく、将来的には1つの新しい閲覧方式になるかもしれないのです」。深圳図書館事務室の肖永釤(Xiao Yongshan)主任が言うには、今年の疫病期間に、深圳図書館は2か月の休館となったが、デジタルリソースにアクセスした人は25万人を数え、2019年の同期比21%増となった。リソースのダウンロードは240兆回で、昨年との同期比58%増だった。(c)People’s Daily/AFPBB News