【8月6日 AFP】南極大陸を撮影した衛星画像から、コウテイペンギンのコロニー(集団繁殖地)が新たに11か所発見された。これにより、地球上に生息するコウテイペンギンの総数はこれまで考えられていたよりも最大10%増えることになる。英南極調査所(BAS)が4日、オンラインジャーナル「リモート・センシング・イン・エコロジー・アンド・コンサベーション(Remote Sensing in Ecology and Conservation)」で発表した。

 コウテイペンギンは衛星から確認するには小さすぎることから、BASは地球観測プログラム「コペルニクス(Copernicus)」の衛星「センチネル2号(Sentinel-2)」が撮影した画像を使い、コウテイペンギンのふんの堆積物を追跡した。

 すると新たに11か所のコロニーが見つかり、南極大陸にあるコロニー数はこれで計61か所となった。

 海水温の上昇により、コウテイペンギンが生息し繁殖する海氷が融解している。研究者によると、新たに発見されたコロニーの多くは、気候変動で消失する恐れのある場所に位置するという。

 BASで保全生物学を専門とするフィリップ・トラサン(Philip Trathan)氏は、「これらの場所にいるペンギンたちは、おそらく『炭鉱のカナリア』だ。気候変動がこの地域に影響を及ぼすとして、注意深く観察する必要がある」と述べた。

 昨年BASが実施した別の調査では、地球上で2番目に大きいコウテイペンギンのコロニーが、生息地の縮小に伴って「壊滅的な」繁殖危機に陥っていることが分かった。(c)AFP/Kelly MACNAMARA