【8月6日 AFP】米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は5日、国内通信事業における中国企業の脅威に対抗する取り組み「クリーンネットワーク(Clean Network)」プログラムを拡充し、米国が国家安全保障上の脅威と見なす中国製のスマートフォンアプリやクラウドサービスなどについて対策を強化するとの新たな方針を発表した。

 ポンペオ氏は、国内通信企業や携帯電話メーカーのアプリストアから信用できない中国製アプリの排除を目指すと表明。「ティックトック(TikTok)や微信(WeChat、ウィーチャット)といったアプリは中国に親会社があり、米国民の個人情報にとって深刻な脅威となっている。また、中国共産党の情報検閲の手段となっていることは言うまでもない」と説明した。

 その上で、中国製スマートフォンや通信機器、華為技術(ファーウェイ、Huawei)などのワイヤレス機器に米国製のアプリがプレインストールされたり、ダウンロード可能な状態になったりすることも阻止したいという。

 ポンペオ氏はまた、中国のプロバイダー企業が米国内で極秘情報を収集、利用する能力を制限しようと努めていると述べ、具体的に電子商取引大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)、インターネット検索エンジン百度(Baidu)、IT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)の名を挙げた。

 一方、劉暁明(Liu Xiaoming)駐英中国大使はツイッター(Twitter)の投稿で「クリーンネットワーク」プログラムをいじめ行為と非難し、自由貿易の概念に反していると主張した。

 劉氏は「米国による第5世代(5G)移動通信網に関するいじめ行為は公平な国際貿易のルールだけでなく、自由な世界市場を取り巻く環境をも損ねている。いわゆる『クリーンネットワーク』を構築するのに米国はまったくふさわしくない」と指摘した。(c)AFP