【8月6日 AFP】世界保健機関(WHO)は5日、新型コロナウイルスの市中感染が起きている国で、大観衆が詰め掛けるスポーツ大会の年内開催を見込むのは「非現実的だ」との見解を示した。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、市中感染の状況下で、数万人規模の観客を動員するスポーツ大会の開催を認めることは「惨事をもたらす」恐れがあると述べた。

 ライアン氏は、WHOのソーシャルメディア上のライブチャットで、大規模なスポーツ大会の開催再開がいつになるかとの問いに「わからない」と言明。「ナイトクラブやバーで起きている、われわれが今抱えているすべての問題を想像してみてほしい。そしてこれらすべてをまとめて4~5時間の経験に凝縮してみる。それは数千人が競技場まで同じ公共交通機関を利用することであり、試合前の人との交流、試合観戦後の人との交流でもある」とし、「市中感染が起きているという状況では、惨事をもたらす恐れがあるといえる」と述べた。

 同氏は「われわれは皆、スポーツ競技の再開を望んでいる。もうしばらく注意する必要があるということだ」とし、「市中感染が起きている国で、このような大規模な集まりを年内に開催するというのは、極めて非現実的だ」と明言した。(c)AFP