【8月8日 CGTN Japanese】今年、湖南省(Hunan)貧困地区のある大学受験生は高い点数を取ったにもかかわらず、あまり人気がない北京大学の考古学学科を選びました。「考古学を選んでも就職したら給料は少ない」「就職チャンスが少ない」「高い点数を取ったのに、もったいない」とネットユーザーの間で注目、議論されています。しかしこれらの声に対し、本人は「私が好きならそれで十分だ」と決意を示しました。

「人気のない学科の価値はどこにあるのか」「どのようにすれば、こういった学科の注目度は高まるのか」とネットユーザーの大議論が起きています。

 陝西師範大学(Shanxi Normal University)歴史文化学院の郭妍利(Guo Yanli)副院長は、「考古学学科の卒業生は博物館、考古学研究所、大学、科学研究機関で教育、或いは研究に携わるケースが多いが、展示会を行う会社や競売会社、文化財関連の店、税関などを選び、デザインや文物の保護、鑑定、競売の仕事をすることもできる。いわゆる人気のない学科の多くが、将来的には大勢の人に価値をもたらしてくれる」と述べました。

 中国は間もなく全面的な小康社会に入るため、生存の問題が解決された段階で精神面のニーズが必ず増えます。文化遺産に対する専門知識を持つ人材の給料が少ないわけはないとの声も出ています。

 北京大学(Peking University)試験研究院の秦春華(Qin Chunhua)院長は、「自分の心の声を聞き、外からの影響に左右されない人は、きっと良い人材になれる」と若い世代にエールを送りました。また、多くの大学がSNSにメッセージを投稿し、若者が夢を追求することに励ましの言葉を贈りました。

 喜ばしいことに、以前、人気のなかった学科でも最近はだんだんと注目度が高くなってきています。今年、北京大学、清華大学(Tsinghua University)、中国人民大学(Renmin University of China)など全国の名門大学36校が古代文字に関する学科を基礎学科の新入生募集改革に取り入れ、基礎学科の発展に取り組んでいます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News