【8月6日 Xinhua News】中国河北省(Hebei)秦皇島市(Qinhuangdao)北戴河区(Beidaihe)の聯峰山の山頂にある望海亭からは、空と海の間に松林が広がる美しい景色が一望できる。望海亭から階段に沿って数十メートル下った辺りに生えている松の古木は、308年という樹齢ではなく、木に秘められた「物語」で人々によく知られている。

 今は青々とした葉を茂らせているこの古木は、10年前には全く違う姿をしていた。

 2010年、北戴河区園林局の職員が通常のパトロールをしていて、この古木が病気にかかっていることに気付いた。枝や幹が枯れ、葉は黄ばんでいた。

 報告を受けて同区は河北農業大学(Agricultural University of Hebei Province)などの大学や研究機関からたびたび専門家を招き、木を診断してもらった。同区園林局の郭愛英(Guo Aiying)高級工程師によると、専門家らがサンプルの採取や分離、接種実験を繰り返し、ようやく病因を突き止めたという。

 郭氏は「枝枯病は昆虫が運ぶ真菌が引き起こす病気で、百年以上を経た松はこの病気に非常に弱い。傷口から松の体内に侵入して木の『血管』を詰まらせ、木の成長に影響を及ぼす。この状態が長引くと、木が生き延びるのは難しくなる」と説明。この病気は伝染性で、その後聯峰山の松の古木は程度の差こそあれ皆かかっていることがわかった。

 北戴河は国内外に名高い避暑地で、森林はその主要な生態系の一つでもある。山の植生はアブラマツが中心で、調査に基づきプレートが付けられた古木・名木は5千本を上回る。

 病状に応じて処置を決めるため、同区園林局はまた繰り返し北京に出向いて専門家と研究討論や実験を重ね、最終的な予防・防除プランを策定した。複数の薬剤を混合して使用し、空中散布と地面防除を組み合わせる方法を採用、毎年の林の回復状況に基づき、症状に応じて用いる薬剤の種類を調整した。

 毎年5月には職員総出で薬剤の散布を行った。防除面積は1万4800ムー(約986ヘクタール)に達した。古木・名木に対しては、1本ごとに専用の「カルテ」を作成し、専門家が病歴を追跡しながら治療を行ってきた。

 10年にわたってリレーを続け、山は一面の緑に変わった。聯峰山のアブラマツ林の病虫害は今では効果的に抑制され、5千余本の古木・名木はいずれも健康を取り戻している。(c)Xinhua News/AFPBB News