【8月5日 AFP】米ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)が4日発表した2020年4~6月期の決算は、損益約47億ドル(約5000億円)の巨額の赤字となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界各地のテーマパークやクルーズ船が休業し、収益が悪化した。売上高は前年同期比ほぼ4割減の約118億ドル(約1兆2500億円)だった。

 一方、1億人を超えるユーザーを抱えるストリーミングサービスの売上高は過去最高を記録した。ボブ・チャペック(Bob Chapek)最高経営責任者(CEO)は、人気のディズニー映画・動画作品を家庭で観賞できるストリーミングサービスに比重を置く方針を肯定する「画期的な成果」だと述べた。

 新型コロナウイルス流行の影響により、米国の大部分では現在も劇場が閉鎖されている。チャペック氏は、公開が繰り返し延期されてきた映画『ムーラン(Mulan)』実写版の劇場上映を取りやめ、9月4日からディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」でプレミア公開することを発表した。

 同作は、中国の伝説のヒロインを主役にした1998年公開のディズニーアニメの実写版。ディズニープラスと契約しているユーザーは、追加料金29.99ドル(約3200円)で観賞できるという。

 ディズニー映画新作のオンライン封切りは前例がなく、チャペック氏は「一度きり」の措置だと述べている。大ヒットが予想されるだけに、すでに新型ウイルスの影響で業績不振に陥っている映画館チェーンにとって新たな打撃となりそうだ。(c)AFP/Glenn CHAPMAN