【8月5日 AFP】バスケットボール男子ドイツ代表のヨシコ・ザイブー(Joshiko Saibou)が、前週ベルリンで行われた政府の新型コロナウイルス対策に抗議するデモに参加し、所属するバスケッツ・ボン(Telekom Baskets Bonn)を解雇された。

 チームは「プロスポーツマンとしての現行契約の要件」に違反したことを理由に挙げた。ボルフガング・ワイドリッヒ(Wolfgang Wiedlich)マネジングディレクターは、「ザイブーが及ぼすチームメートや他チームへの恒久的な感染リスクに対して、チームは責任を取れない」とコメント。来季のファン入場に向け、リーグが衛生に関する考え方をまとめている中、ザイブーの存在は足かせになるとも話した。

 ドイツでは、4日時点で累計の新型ウイルスの感染者数が約21万人、死者が約9200人おり、ここ数週間は5月以降はなかったレベルにまで再び及ぶなど、徐々に新規感染者数が増加してきている。

 その中でザイブーは1日、ベルリン中心部に約2万人が集結したウイルス対策への抗議デモに参加した。デモは、マスクを着け、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の原則を守っている参加者がほとんどいなかったため、午後遅くに警察によって解散させられた。

 ザイブーはその後の3日、ジムで代表のチームメートと一緒にマスクを着けずに練習している動画を自身のインスタグラム(Instagram)に投稿した。以前はウイルス陰謀論を支持するコメントを投稿し、政府の対応を批判したこともあった。

 ドイツバスケットボール連盟(DBB)は、ザイブーに対する処分を考えておらず、インゴ・バイス(Ingo Weiss)会長が独スポーツ通信社SIDに対して「われわれ連盟はこの件と距離を置くが、ヨシコ・ザイブーが別の意見を持っていることは受け入れる」と話している。(c)AFP