レバノン首都で2度の大爆発、73人死亡 数千人負傷
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【8月5日 AFP】(更新、写真追加)レバノンの首都ベイルートの港湾地区で4日、大きな爆発が2度あり、少なくとも73人が死亡、数千人が負傷した。爆発の衝撃波は遠くの建物をも揺らし、市内は恐怖と混乱に包まれた。
2度目の爆発は耳をつんざくごう音を発し、現場からはオレンジ色の火柱が上がった。港湾地域では多くの建物が倒壊し、竜巻のような衝撃波によって数キロ先の建物も窓ガラスが吹き飛ぶ被害を受けた。
同国公衆衛生省はAFPに対し、暫定推計として73人が死亡、3700人が負傷したと説明した。ドイツ外務省は、在レバノン独大使館の職員が負傷したと発表。国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)の発表によると、港に停泊していた同軍の船舶が破損し、平和維持活動に従事する部隊の隊員らが重軽傷を負った。
港でAFPの取材に応じた兵士は「内部は悲惨な状態だ。地面には複数の遺体があり、救急車が今も死者の収容を続けている」と語った。現場のAFP記者によると、ハムラ(Hamra)商業地区の全ての店舗が損傷し、多くの車が破損した。
市内では負傷した人々が街頭を歩き、クレマンソー医療センター(Clemenceau Medical Centre)前には数十人の負傷者が治療を受けるため集まった。負傷者には子どもも含まれ、多くは出血していた。
港湾地域への立ち入りは、救急車や消防車、現場で働く人々の家族のみに制限されている。現場では大規模な火災が発生し、救急車がサイレンを鳴らしながら負傷者を搬送した。
爆発の原因は不明だが、治安当局高官は、港には数年前に押収された爆発物が保管されていたと説明。「数年前に押収された物質を保管していた倉庫があったようだ。保管されていたのは起爆性が非常に高い物質だったとみられる」と述べた。
その後、レバノンのハッサン・ディアブ(Hassan Diab)首相は、爆発があった港の倉庫に硝酸アンモニウム約2750トンが保管されていたと述べた。硝酸アンモニウムは化学肥料として使用されるが、火薬・爆薬原料にもなる。
記者会見した報道官によると、ディアブ首相は防衛委員会の会議の席上、「2750トンの硝酸アンモニウムが6年もの間、事故予防措置も取らずに倉庫にあったというのは容認できない」と述べたという。
爆発音は240キロ離れた地中海の島国キプロスの首都ニコシアでも聞かれた。ベイルート中心部に住む女性はAFPに対し「地震のようだった。2005年のラフィク・ハリリ(Rafic Hariri)元首相暗殺事件での爆発よりも大きく感じた」と語った。(c)AFP